鳥と登録 ~飼い鳥の登録とこれからの未来~ レポート

 

●TSUBASAとサイテス(ワシントン条約)の関係性は?!

ご報告が遅くなってしまいましたが、7月27日(日)に「鳥の登録」をテーマに愛鳥塾が開催されました。講師は我がTSUBASAの事務局長で理事の涌井智美が務めさせていただきました。

 

皆さん「サイテス」という言葉をご存知でしょうか。日本では通称「ワシントン条約」と言っていて、このルールを守らないと、緊急にレスキューが必要な鳥さんがいてもTSUBASAで引き取れなかったたり、里親さんにぴったりの人があらわれても、TSUBASAから出る事ができなくなってしまうかもしれない、とっても大切なルールなのです。反対にサイテスを正しく理解すれば、私たちの手で鳥さん達の未来を幸せにすることができるかもしれないのです!

 

ちなみに、TSUBASAの鳥達もトキやサスケなど、何羽かがサイテスの付属書Ⅰ類に掲載されています。

 

 

●サイテスとは?

 

さて、会場は満員のとり村バードランで、拍手喝さいの中、愛鳥塾がスタートしました。【※撮影写真】

 

まずは、サイテスについての基本的な説明です。「絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引を規制するための国際条約」のことで、1980年にワシントンで結ばれました。付属書Ⅰ類~Ⅲ類まであり、Ⅰ類は絶滅の恐れがある種のため商取引は原則禁止されていますが、Ⅱ類、Ⅲ類は可能です。また、日本国内では、サイテスに指定された動植物の国内取引を規制・管理するために「種の保存法」という国内法があり、飼い主さんはこの法律に基づいて環境省の指定機関「財団法人 自然環境研究センター」に付属書に掲載されている動植物を登録し、管理していくことが法的に義務付けられています。

 

 

●サイテスの登録方法とTSUASAにおける問題点

 

ここで問題になってくるのは、サイテスの付属書Ⅰ類に位置づけられた動植物は、飼い主が個体ごとに登録をしないと取引や譲渡ができないことです。

 

サイテスは無いと野生動物の商取引が野放しになってしまうので、必要なものなのですが、家庭の鳥達のためのルールではないため、もう少し柔軟な運用が必要では無いかと感じざるを得えません。

 

●私たちに出来ること

今回の愛鳥塾で学んだことは、①これからⅠ類の鳥さんを飼う方は、購入時の書類を必ず保管しておいて早めの登録を、②現在Ⅰ類の鳥さんを現在飼っている方は、必ず早めの登録を、③現在Ⅱ類の鳥さんを飼っている人も、今後Ⅰ類になってしまう可能性があるため、将来の登録に備え、購入時の書類を必ず保管しておくべきであるとがわかったことです。また、現在は飼っていない人も、今後、近所の鳥さんの証言者になったり、第三者を捜してあげたりできるようにアンテナを貼って頂ければと感じました。ご近所のベランダにいる鳥さん、またバードランで知り合った鳥さんの「第三者の証言」に皆さんがなってくれること、またこれらの知識の輪を広めてくれることで、鳥さんの命を救うことができるかもしれないのです!

 

(レポート担当 TSUBASA理事会プラス)